独断と偏見で選ぶ見ておくべき三池崇史の映画
三池崇史と言えば監督作品が年 10 本ぐらい公開されたほど多作。もう関連作品も含めると 100 本以上にもなるし、興味持った人に「好きなの見れば良いじゃん」って言うのは流石に優しくないので幾つかピックアップするよ。多分全部見ればニワカに吹っ掛けられてももう対処出来る筈。
作品を羅列する前にちょっとだけ三池崇史はどんな映画を撮るのか触れておこう。
先ずはさっきも触れた通りメガホンを取るのが早い。で、「依頼が来た順に受ける」と言ったとか言わないとかそんな話があるほどジャンルレスだから作品によって印象はまちまちになると思うんだけど、V シネマ出身の所為なのか、大体どの作品も暴力描写が過激な一方で何処となく B 級感がある。
ジャンルレス。エログロナンセンス。B 級。この三つだけでも押さえておくとあいつの鼻っ柱を圧し折る事が出来るかも知れない。
よし、好きな順に適当にまとめたのでカウントダウンしてみよう。そうしよう。
10. カタクリ家の幸福
韓国映画のリメイク。ミュージカル調でインモラル傾向は比較的弱い。ブラック。
9. 日本黒社会 Ley lines
チンピラ映画。ちょっとキタノブルーを意識していた感じがある。ノワール。
8. Izo
ストーリーは有って無いような物。前衛映画へのオマージュなんだと思う。キャストやばい。
7. ビジター Q
ザ・エログロナンセンス。これがラブストーリーなんだから凄い。再販売されないかなぁ。
6. 妖怪大戦争
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一般向けの代表格。神木きゅんの最後の姿が見れる。これもキャスト豪華なんだよな。
5. Dead or Alive 犯罪者
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なんなんだろうね。見所はやっぱエンディングかな。このシリーズはこれが一番好き。
4. 殺し屋 1
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SM テイストが薄いから原作ファンはきついだろうけど実写映画としては面白かったよ。
3. 悪の教典
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95 年のバイオレンス系から始まって、アンドロメディアみたいなお金が動いただけの作品なども経て、近年はエンタメとエログロのバランスが良くなっている状態だと思う。個人的にこの "悪の教典" と "告白"、"桐島、部活やめるってよ" は近い時期に見たので印象深く、マイベスト学園ノワール三部作として後世に語り継ぎたいレヴェル。
よくまとまりのなさが指摘されるけど、その余白、ムラが良さに繋がってると思う。そういう意味で主役の伊藤英明も良かったけど、この映画で一番輝いていたのは山田孝之。唯一ケチつけるなら主題歌が Exile ってところか。
2. クローズ Zero
さっきの悪の教典と比べると三池的過激描写指数は低めだけど、シンプルな暴力の表現だけにした感じで物足りなさはあまり感じない。グロを求める人は他の映画の方が良いかも。ここらへんを捉えた感じをこじんまりとしてると思うか不良ケンカ映画と思うかで評価が変わると思う。
余計な事を言うなら黒木メイサをカットすれば尺としてもシナリオとしても丁度良くなると思う。まあ、なかなか悪い所が全くない映画ってないよね。ただそれを含めても総評としては面白いという事になる。そして、この作品も主役の小栗旬より山田孝之の方が輝いているのである。
1. 十三人の刺客
この映画はリメイクなんだけど「十三人の刺客をリメイクした」というより「時代劇をリメイクした」という感じ。娯楽時代劇をベースに今見ても耐えうるようにエンタメ時代劇に再構築をしたというか。あとウケが悪いところも堂々と入っている。基本的には復讐劇でヒリヒリしているのに捉えどころのないメタ要素があったりね。観客への媚が少ない。
多分、三池監督の要素が一番多くちりばめられているからこの映画を見て嫌いになった人は他のどの作品見ても嫌いになると思う。そして、この作品では山田孝之より主役の役所広司がちゃんと輝いている。笑いの大学を見てからこれ見るのも良いかも。
そんな幾ら話しても話し足りない三池作品なんだけど、久々に三池崇史のルーツとも言えるようなトンデモヤクザ映画、"極道大戦争" が来年公開されるみたい。ヴァンパイアの親分に咬みつかれるとヤクザ化するとかトンデモ設定もいいところだよね。きっとヒットしないだろうけど今から楽しみ。